2016年に史上最年少の35歳で入閣した台湾のデジタル担当大臣、オードリー・タン(唐 鳳)氏はいまや、世界のオピニオンリーダーと呼ぶにふさわしい。革命的なコロナ対策のみならず、2021年の民主主義サミットで台湾代表を務めるなど、デジタル民主主義を牽引する人物としても大きな影響力を持っている。そんなタン氏に対して、台湾問題に詳しいジャーナリストの野嶋剛氏がオンラインインタビューを行い、デジタル社会における民主主義のあり方から人生観や日常生活まで、幅広いテーマについて語ってもらった。全6回に分けて掲載する。

(以下のインタビューは2021年11月に行われたものです)

 

1つの仕事を始めたら別の人間になるわけではない

野嶋:タンさんはいまちょうど40歳ですね。35歳の史上最年少で閣僚に起用されたのが2016年。台湾政府で5年以上仕事をしたことになりますが、このデジタル担当の政務委員(無任所大臣)という仕事を楽しんでいますか?

2016年に蔡英文政権が発足した(C)EPA=時事
 

タン:楽しんでいます。毎日新しい学びがあり、新しい友人に出会えます。

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