カザフスタン南部・アルマトイの発電所を警備する、CSTOの平和維持部隊 (C)AFP=時事

 新年に勃発した中央アジア・カザフスタンの反政府暴動は、30年以上に及ぶヌルスルタン・ナザルバエフ氏の独裁体制への不満が、燃料価格急騰で一気に爆発した形だ。資源開発に成功し、中進国入りを果たしたとはいえ、エリートが利権を独占する格差構造や長期政権特有の閉塞感、底辺層の生活苦など、矛盾が社会にうっ積していたようだ。

 カザフ暴動のサプライズは、ロシアなど旧ソ連の集団安全保障条約構(CSTO)加盟国が、カシム=ジョマルト・トカエフ大統領の要請に基づき、約2500人の平和維持部隊を迅速に派遣したことだ。

 アントニー・ブリンケン米国務長官は、

「なぜ外部の支援を必要としたのか。ロシアがひとたび家に居座れば、立ち退かせるのは困難だ」

 と警告した。

 トカエフ大統領は11日、「情勢が安定化した」ため、CSTOの平和維持部隊が13日から撤退を開始すると発表したが、ロシアのセルゲイ・ショイグ国防相は、

「状況が完全に安定するまで任務は続く」

 と述べており、完全撤退がいつになるかが焦点になる。

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