新たなユーザーニーズを掴めるか(1月4日、CESでEV試作車を披露するソニーグループの吉田憲一郎社長兼会長)  ©︎AFP=時事

   今回は、年明けに注目を集めた一見まったく無関係な二つの事柄を切り口にして、世界の変化や日本の立ち位置について考えてみたい。一つは、今月13日からネットフリックスで世界同時配信が開始された『新聞記者/The Journalist』という日本の政治スキャンダルを題材としたドラマだ。もう一つは、毎年年初に米ラスベガスで開催される家電ショーCES(Consumer Electronics Show)でソニーが発表した「EV(電気自動車)事業に本格参入する」という話題だ。

サブスク会員が1ドルで手に入れる「10億ドルの価値」

   米調査会社が発表した2021年第4四半期の米国内におけるSVOD(Subscription Video On Demand)市場調査によると、会員数トップはネットフリックスで、2番手がアマゾンプライムビデオ、3番手がフールー(Hulu)からディズニープラスに入れ替わった。世界全体ではネットフリックスの会員数は昨年10月19日の段階で2億1360万人と発表されているが、アマゾンプライムも昨年4月の株主レターで会員数が2億人を超えたと報告されている。日本ではアマゾンの方が会員数は多いが、コロナ禍での巣ごもり需要の後押しもあってネットフリックスも会員数を大きく伸ばし、動画配信市場は全般的に追い風だ。

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