Netflix版『新聞記者』とソニーEVはどちらが「自由」の力を得ているか

執筆者:辻野晃一郎 2022年1月31日
新たなユーザーニーズを掴めるか(1月4日、CESでEV試作車を披露するソニーグループの吉田憲一郎社長兼会長)  ©︎AFP=時事
経営学をリードする論客、スコット・ギャロウェイはネットフリックスを「ディスラプターズ」(大変革者)の一つと位置付けている。GAFAやマイクロソフトに続く企業と、過去の延長から未だ抜け出せない日本企業では、未来のビッグピクチャーを活かす力に差があるのだ。

   今回は、年明けに注目を集めた一見まったく無関係な二つの事柄を切り口にして、世界の変化や日本の立ち位置について考えてみたい。一つは、今月13日からネットフリックスで世界同時配信が開始された『新聞記者/The Journalist』という日本の政治スキャンダルを題材としたドラマだ。もう一つは、毎年年初に米ラスベガスで開催される家電ショーCES(Consumer Electronics Show)でソニーが発表した「EV(電気自動車)事業に本格参入する」という話題だ。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
辻野晃一郎(つじのこういちろう) 福岡県生まれ。アレックス株式会社代表/グーグル日本法人元代表。1984年に慶応義塾大学大学院工学研究科を修了し、ソニーに入社。88年にカリフォルニア工科大学大学院電気工学科を修了。VAIO、デジタルTV、ホームビデオ、パーソナルオーディオ等の事業責任者やカンパニープレジデントを歴任した後、2006年3月にソニーを退社。翌年、グーグルに入社し、グーグル日本法人代表取締役社長を務める。2010年4月にグーグルを退社し、アレックス株式会社を創業。現在、同社代表取締役社長兼CEOを務める。2012年4月~2017年3月早稲田大学商学学術院客員教授、2013年10月~2016年8月 内閣府高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT総合戦略本部)規制制度改革分科会メンバー、2016年6月~2018年9月 神奈川県ME-BYOサミット神奈川実行委員会アドバイザリーメンバー。2017年8月より株式会社ウェザーニューズ社外取締役。著書に、『グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた』(2010年 新潮社、2013年 新潮文庫)、『成功体験はいらない』(2014年 PHP ビジネス新書)、『リーダーになる勇気』(2016年 日本実業出版社)、『「出る杭」は伸ばせ!なぜ日本からグーグルは生まれないのか?』(2016年 文藝春秋社)、『日本再興のカギを握る「ソニーのDNA」』(2018年 講談社)。
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