日本企業が知らない「Wisdom of Crowds」をエンジンにするGoogleの「働き方」

執筆者:辻野晃一郎 2021年10月25日
タグ: マネジメント
グーグルは現場を組織が“下から”支える逆ピラミッド型のマネジメントを構築した(ナスダック上場間もない頃のラリー・ペイジ[左]とセルゲイ・ブリン=2005年撮影) ⓒEPA=時事
どのようなビジネスに取り組むのであっても、企業の成長エンジンは「Wisdom of Crowds(集団の叡智)」をおいて他にない。それを飛躍的に伸ばせるインターネット時代の可能性を、GAFAは最速かつ的確に捉えてきた。グーグルが「働き方」に浸透させたコアバリューと、これに対する日本企業の誤解を検証する。

 前回は、実際にグーグルで働いたり、あるいはアップル、アマゾン、マイクロソフト(MS)などと仕事を通じて直接関わったりしてきた経験を踏まえて、「GAFAやMSの人たちは世の中を本気で変えていく知恵とエネルギーにあふれている」と述べた。では、彼らは実際どのような働き方をしているのか。今回は、筆者が経験したグーグルの働き方について具体的に紹介したい。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
辻野晃一郎(つじのこういちろう) 福岡県生まれ。アレックス株式会社代表/グーグル日本法人元代表。1984年に慶応義塾大学大学院工学研究科を修了し、ソニーに入社。88年にカリフォルニア工科大学大学院電気工学科を修了。VAIO、デジタルTV、ホームビデオ、パーソナルオーディオ等の事業責任者やカンパニープレジデントを歴任した後、2006年3月にソニーを退社。翌年、グーグルに入社し、グーグル日本法人代表取締役社長を務める。2010年4月にグーグルを退社し、アレックス株式会社を創業。現在、同社代表取締役社長兼CEOを務める。2012年4月~2017年3月早稲田大学商学学術院客員教授、2013年10月~2016年8月 内閣府高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT総合戦略本部)規制制度改革分科会メンバー、2016年6月~2018年9月 神奈川県ME-BYOサミット神奈川実行委員会アドバイザリーメンバー。2017年8月より株式会社ウェザーニューズ社外取締役。著書に、『グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた』(2010年 新潮社、2013年 新潮文庫)、『成功体験はいらない』(2014年 PHP ビジネス新書)、『リーダーになる勇気』(2016年 日本実業出版社)、『「出る杭」は伸ばせ!なぜ日本からグーグルは生まれないのか?』(2016年 文藝春秋社)、『日本再興のカギを握る「ソニーのDNA」』(2018年 講談社)。
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