イノベーションは、ひとりの善良な意志が地球規模の課題に向き合うことからスタートする

執筆者:辻野晃一郎 2021年9月21日
自動運転車開発に挑戦したセバスチャン・スラン氏には、親友を交通事故で亡くすという原体験があった(セバスチャン・スラン氏=中央=の公式Twitter @SebastianThrun より)
GAFAはいまや、民間企業でありながら世界の公共投資を担う存在にもなったと言える。だがその始まりには常に、大きな課題に強烈な使命感と底抜けの明るさで向き合った、たったひとりの個人がいる。数の本質が一桁違うインターネットの時代、そして環境破壊や拡大する格差といった地球規模の問題を抱えるこの時代に、自分と世界を結ぶアジェンダをどう作るか。

 前回は、「改革のフリ」ばかりでなかなか変われないままでいる間に日本の衰退が進行した、という話をした。一方、私自身が実際にグーグルで働いた経験や、アップル、アマゾン、マイクロソフト(MS)などと直接関わってきた経験を踏まえて述べると、グーグルを始めとしたGAFAやMSの人たちは世の中を本気で変えていく知恵とエネルギーにあふれている。毎年投じている研究開発費も桁違いで、「フリ」ではなく「ノリ」が良い。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
辻野晃一郎 福岡県生まれ。アレックス株式会社代表/グーグル日本法人元代表。1984年に慶応義塾大学大学院工学研究科を修了し、ソニーに入社。88年にカリフォルニア工科大学大学院電気工学科を修了。VAIO、デジタルTV、ホームビデオ、パーソナルオーディオ等の事業責任者やカンパニープレジデントを歴任した後、2006年3月にソニーを退社。翌年、グーグルに入社し、グーグル日本法人代表取締役社長を務める。2010年4月にグーグルを退社し、アレックス株式会社を創業。現在、同社代表取締役社長兼CEOを務める。2012年4月~2017年3月早稲田大学商学学術院客員教授、2013年10月~2016年8月 内閣府高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT総合戦略本部)規制制度改革分科会メンバー、2016年6月~2018年9月 神奈川県ME-BYOサミット神奈川実行委員会アドバイザリーメンバー。2017年8月より株式会社ウェザーニューズ社外取締役。著書に、『グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた』(2010年 新潮社、2013年 新潮文庫)、『成功体験はいらない』(2014年 PHP ビジネス新書)、『リーダーになる勇気』(2016年 日本実業出版社)、『「出る杭」は伸ばせ!なぜ日本からグーグルは生まれないのか?』(2016年 文藝春秋社)、『日本再興のカギを握る「ソニーのDNA」』(2018年 講談社)。
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