キエフ・ハリコフ・オデッサ同時侵攻のシミュレーション図

 

 ロシアのウクライナ侵攻は 「いつ起きてもおかしくない」という認識が広まりつつある。実際にロシア軍が軍事侵攻に踏み切るとすれば、どのような展開になるのだろうか。

 1月13日に米戦略国際問題研究所(CSIS)が公開したロシアによるウクライナ侵攻の可能性に関するレポートでは、以下の6つのオプションが指摘されている。

(1)対米・対NATO(北大西洋条約機構)交渉が成功した場合、地上軍の一部を国境付近から撤退させる。ウクライナ東部の親露派への支援は継続する

(2)ドネツク・ルガンスクの分離地域に「平和維持部隊」と称してロシア軍を展開させ、ウクライナ政府がミンスク合意(2014・2015年に結ばれた停戦合意)の完全履行(≒ウクライナの連邦化)に合意するまで居座り続ける

(3)ドニエプル川以東のウクライナ領を占領し、取引材料として利用するか、ロシア領として併合する

(4)ドニエプル川以東に加え、クリミア半島から隣国モルドヴァの分離地域トランスニストリア(沿ドニエストル共和国)までを結ぶ黒海沿岸部一帯を占領し、ウクライナを「内陸国」化する

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