カマラ・ハリス副大統領“低迷”の責は、本人のみならずバイデン政権も負うべきなのかもしれない (C)EPA=時事

 米連邦最高裁判所スティーブン・ブライヤー判事(83)が今夏に引退する意向を固めた。ジョー・バイデン米大統領は、後任に黒人女性を指名する意向を示している。

 米国憲法は、連邦最高裁の判事は大統領が指名し、上院が承認すると定める。ブライヤーは最高裁判事9人のうち、3人いるリベラル派判事のひとりだが、今年11月の中間選挙で共和党が上院の多数派を奪還する可能性もささやかれており、その前の引退を求める声が高まっていた。バイデンにとっては、政権の支持率が低迷する中、中間選挙に向けてリベラル層の支持を取り戻すねらいもある。

黒人女性判事指名は「アイデンティティ政治」か

 黒人女性の最高裁判事の指名は、2020年大統領選のときからバイデンが公約にしてきたことだ。大統領予備選でバイデンは、

「自分が大統領になったら黒人女性を初めて最高裁判事に指名する」

「女性の副大統領を指名する」

 と約束し、まずはカマラ・ハリスを黒人女性として初めての副大統領候補に指名した。

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