低迷する「カマラ・ハリス」はバイデン「アイデンティティ政治」失敗の象徴か

執筆者:三牧聖子 2022年2月9日
エリア: 北米
カマラ・ハリス副大統領“低迷”の責は、本人のみならずバイデン政権も負うべきなのかもしれない (C)EPA=時事
思えば、一昨年11月の「私は最後の女性副大統領ではない」という勝利演説が、ハリス米副大統領の絶頂期だった。支持率でバイデン大統領を下回る低迷ぶりはどう理解できるのか。ハリス批判は、政権の「アイデンティティ政治」への攻撃を強める保守派のみならず、社会変革に期待していたリベラル層や若い世代にも広がる。ハリスの低迷を多角的に読み解く。

 米連邦最高裁判所スティーブン・ブライヤー判事(83)が今夏に引退する意向を固めた。ジョー・バイデン米大統領は、後任に黒人女性を指名する意向を示している。

 米国憲法は、連邦最高裁の判事は大統領が指名し、上院が承認すると定める。ブライヤーは最高裁判事9人のうち、3人いるリベラル派判事のひとりだが、今年11月の中間選挙で共和党が上院の多数派を奪還する可能性もささやかれており、その前の引退を求める声が高まっていた。バイデンにとっては、政権の支持率が低迷する中、中間選挙に向けてリベラル層の支持を取り戻すねらいもある。

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カテゴリ: 政治 社会
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執筆者プロフィール
三牧聖子 同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科准教授。国際関係論、外交史、平和研究、アメリカ研究。東京大学教養学部卒、同大大学院総合文化研究科で博士号取得(学術)。日本学術振興会特別研究員、早稲田大学助手、米国ハーバード大学、ジョンズホプキンズ大学研究員、高崎経済大学准教授等を経て2022年より現職。2019年より『朝日新聞』論壇委員も務める。著書に『戦争違法化運動の時代-「危機の20年」のアメリカ国際関係思想』(名古屋大学出版会、2014年、アメリカ学会清水博賞)共訳・解説に『リベラリズムー失われた歴史と現在』(ヘレナ・ローゼンブラット著、青土社)。
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