マネーから読み解く2022年の世界(上)

執筆者:滝田洋一2022年2月15日
 

*この記事は1月7日に行われた講演内容をまとめたものです。各データは同日時点の数値に基づきます。

西村博一(フォーサイト編集長):本日は『日本経済新聞』編集委員、『テレビ東京』「ワールドビジネスサテライト」の解説キャスターとしてもお馴染みの滝田洋一さんに、「マネーから読み解く2022年の世界」をテーマにお話しいただきます。

 新型コロナウイルス感染症拡大による経済へのダメージを緩和するために、各国政府や中央銀行が行ってきた積極的な財政出動と金融緩和は、「コロナバブル」とも呼ばれる世界的なカネ余り状況を生み出しました。特にアメリカは、ジャネット・イエレン財務長官が掲げた「高圧経済」の旗印の下、積極的な景気刺激を続けてきました。

 しかしこのアメリカの金融政策は、まもなく転換点を迎えます。目を世界に転じれば、エネルギー価格の上昇とそれに伴うインフレリスク、あるいはロシアや中国を焦点とする地政学的なリスクが存在しています。

 こうした環境の中で迎える2022年の世界経済そして日本経済は、どのようなシナリオを描き得るのか。グローバル市場の大きな構図から、私たちの日常に密着した株式、為替、物価などへの影響までご説明いただけると思います。

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