投資家の指針となるために制定された「EUタクソノミー」。強制力はないものの、その影響力は大きい(REUTERS/Christian Charisius (GERMANY))

 [ブリュッセル(ロイター)]これは世界一野心的な環境に優しい投資のルールブックで、気候変動との戦いに巨額資金が流れ込むようになるだろう――「EUタクソノミー(分類)」の支持者はこう言う。

 一方、反対派は批判する。こんな「グリーンウォッシング(見せかけの環境対策)」では、EUは気候変動防止の目標を達成できない、と。

 賛否分かれる「EUタクソノミー」とはいったい何なのか?

「EUタクソノミー」は何をする?

 EUタクソノミーは、経済活動のどの分野が「持続可能な投資」と見なされるかを定めた複雑なシステムだ。そこには、様々な経済活動の長いリストがあり、「グリーンラベル」を獲得するために満たさなければならない環境基準が詳細に定めてある。

 2022年2月、製鉄所や電気自動車、ビルのリノベーションなど、経済の大半の分野で、この新しい規則が発効した。しかし、天然ガスと原子力エネルギー分野に関してはまだ結論が出されていない。天然ガスと原子力の利用が気候変動阻止に役立つという見解に強く反対する政府があるからだ。

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