イラン、制裁下で膨張する革命防衛隊の権力
2022年2月18日
市民が語った生活の不安
2月11日、イランは43周年となる革命記念日を迎えた。1979年の革命によって、西欧近代化を推し進めた親米のパーレビ王制が倒され、現在まで続く「イスラム法学者による統治」が始まった。
記念式典は開かれたが、新型コロナウイルス感染症の影響で前年と同様、従来よりも規模は縮小されていた。
それでも、首都テヘランの地下鉄アザディ(自由)駅からアザディ広場まで2キロの大通り沿いには、仮設の舞台や店がいくつも並び、児童による歌唱や人形劇が披露され、オレンジや黄色の風船が売られていた。
革命の時に流行した力強く威勢のいい音楽がスピーカーから鳴り響くなか、たくさんの家族連れや数千台の中型バイクがパレードした。参加者の手やバイクの風よけには、最高指導者アリ・ハメネイ師と革命防衛隊の故ガセム・ソレイマニ司令官の写真やポスター、緑・白・赤のイラン国旗、「米国に死を」と書かれたボードが見られた。
そうした様子を3時間にわたって取材した頃には、巨大な音量の音楽とエンジン音のせいで、頭痛がしていた。バイクが吐き出す大量の排ガスを直接浴びたこともあり、マスクをしていても喉はイガイガし、目もパサパサに乾いてかゆみが止まらない。
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