イラン、制裁下で膨張する革命防衛隊の権力

執筆者:飯島健太 2022年2月18日
タグ: イラン
エリア: 中東
革命記念日の式典に参加し、アザディ・タワーを背景に記念撮影する親子連れ(撮影:飯島健太 @朝日新聞社)
 
制裁の緩和か、圧力の強化か――。核合意の復活を探る米国とイランの協議が大詰めを迎えているが、イランでは核合意の「不要論」が消えない。背景を探ると、制裁下で力を増す革命防衛隊の存在が浮かび上がってきた。

市民が語った生活の不安

 2月11日、イランは43周年となる革命記念日を迎えた。1979年の革命によって、西欧近代化を推し進めた親米のパーレビ王制が倒され、現在まで続く「イスラム法学者による統治」が始まった。

 記念式典は開かれたが、新型コロナウイルス感染症の影響で前年と同様、従来よりも規模は縮小されていた。

 それでも、首都テヘランの地下鉄アザディ(自由)駅からアザディ広場まで2キロの大通り沿いには、仮設の舞台や店がいくつも並び、児童による歌唱や人形劇が披露され、オレンジや黄色の風船が売られていた。

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執筆者プロフィール
飯島健太(いいじまけんた) 1984年、埼玉生まれ。朝日新聞テヘラン支局長。2007年に入社後、奈良、高松総局を経て大阪社会部(事件・調査報道)、国際報道部に異動。2018年にロンドン大学東洋アフリカ学院(SOAS)国際政治学修士課程を修了し、2020年4月から現職。
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