コートジボワール・アレペのカカオ農場でカカオポッドを採取する準備をする農民(2020年12月7日)(REUTERS/Luc Gnago)

[チューリッヒ/ロンドン(ロイター)]スイスの食品大手ネスレは1月27日、カカオ農家が子供に農作業をさせるのではなく、学校に行かせている場合に現金を給付することを発表した。2025年までに、完全に追跡可能なサプライチェーンを通じたカカオ調達を目指す取り組みの一環。

 チョコレートメーカーは、調達するカカオ豆が、西アフリカで一般的にみられる児童労働や保護区域での違法栽培で生産されたものでないことを確認するよう、投資家や消費者、政府から強い圧力を受けている。

 チョコレート菓子「キットカット」や「スマーティーズ」を製造するネスレは、持続可能なカカオ豆の調達にかかる年間支出を、2030年までに現行の3倍となる13億スイスフラン(14億1000万ドル)に引き上げると明らかにしている。ネスレのマーク・シュナイダーCEO(最高経営責任者)はウェブキャストで、「ネスレの新しい取り組みは、児童労働の根本的な原因と、農家とその家族が直面している生活収入の格差に焦点を当てている」と述べた。

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