「ネスレ」(本社スイス)がアフリカ事業の縮小を決めた。今年中にアフリカ21カ国での雇用を15%削減する。すでにウガンダとルワンダの事務所を閉鎖し、アフリカでの生産を半減するという。同社はいわずと知れた世界最大の食品飲料企業で、1916年に南アフリカへ進出したのを皮切りに、現在は赤道アフリカ地域21カ国に拠点をもつ。2008年からアフリカ事業の拡大に乗り出し、10億ドルを投資してきた。その、アフリカビジネスのベテランが、ここにきて方針を転換したのである。
同社赤道アフリカ地域のクルメナッハCEO(最高経営責任者)は、「私たちはここを次のアジアだと考えてきた。だがアフリカの中間層は予想外に薄く、さして増えてもいないことがわかった」と語っている。したがってネスレは、新たに積み増すつもりだった中間層向け製品を撤収し、従来の貧困層向け製品のラインアップに戻すことを決めたのだ。

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