平和の祭典オリンピックを開催中の中国。その一方で、世界各地ではウイグル人をはじめ少数民族への弾圧に対する抗議やデモが活発化している。弁護士や人権専門家らが集まり、英国で立ち上げられた民衆法廷「ウイグル法廷」は、昨年12月に、中国政府の新疆ウイグル自治区での行いはジェノサイド(民族大量虐殺)であると認定し、世界の注目を集めた。
※記事の最後にジェフリー・ケインさんの動画インタビューが掲載されています。是非ご覧下さい。
――2001年9月に、イスラム系テロ組織アルカイダのテロにより、ニューヨーク世界貿易センタービルが崩壊しました。これを契機に、中国は対テロという名目で独裁支配を強め、その中心的なターゲットとなったのがウイグル人であると書かれています。9.11のテロとウイグル人にはどのような関係があるのでしょうか。中国は、なぜそこまでウイグル人を強烈に取り締まろうと考えるのでしょうか。
ジェフリー・ケイン氏(以下、ケイン):中国は、独裁的な権威主義を築くための理由を以前から探していました。そのためには敵が必要です。敵を作れば仲間の結束が強くなるからです。
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