狙いはゼレンスキー政権の転覆か(C)EPA=時事

 

ロシア軍の「特別軍事作戦」開始

 2月24日午前(現地時間早朝)、かねてより危惧されていたロシア軍のウクライナ侵攻が開始された。ウラジーミル・プーチン大統領は同時間帯に放送された国民向けのテレビ演説で、ウクライナ東部ドンバスの住民保護のために「特別軍事作戦」を実施し、ウクライナの「非武装化」を図ると明らかにした。

 それに先立つ21日、ドンバスの分離派支配地域「ドネツク人民共和国」「ルガンスク人民共和国」の独立をロシアが正式に承認し、「友好協力相互援助条約」を締結するとともに「平和維持部隊」として同地域に(公式に)ロシア軍を派遣することが決定されたが、23日には「ウクライナ軍の攻勢を撃退するため」に両「政府」が軍事的支援を要請してきたと発表され、「特別軍事作戦」の実施はこれに応じた形になる。

 しかし、実際に開始された軍事作戦の様相は、ウクライナ全域への攻撃と大規模かつ多方面からの地上侵攻であり、「ドンバスで虐げられているロシア系住民の保護」が単なる口実であることは明白だ。ロシア政府・議会での派兵決定に至るまでの一連の流れも、そのお膳立てのために予め台本が決められた茶番劇だったと言って良いだろう。

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