最新ウクライナ情勢:焦点は首都制圧と「ゼレンスキー確保」

執筆者:藤村純佳 2022年2月25日
エリア: ヨーロッパ
狙いはゼレンスキー政権の転覆か(C)EPA=時事
ウクライナ侵攻の狙いと思われていたミンスク合意を自ら破棄したプーチン大統領。真の狙いは何なのか。初日のロシア軍の動きから分析する。

 

ロシア軍の「特別軍事作戦」開始

 2月24日午前(現地時間早朝)、かねてより危惧されていたロシア軍のウクライナ侵攻が開始された。ウラジーミル・プーチン大統領は同時間帯に放送された国民向けのテレビ演説で、ウクライナ東部ドンバスの住民保護のために「特別軍事作戦」を実施し、ウクライナの「非武装化」を図ると明らかにした。

 それに先立つ21日、ドンバスの分離派支配地域「ドネツク人民共和国」「ルガンスク人民共和国」の独立をロシアが正式に承認し、「友好協力相互援助条約」を締結するとともに「平和維持部隊」として同地域に(公式に)ロシア軍を派遣することが決定されたが、23日には「ウクライナ軍の攻勢を撃退するため」に両「政府」が軍事的支援を要請してきたと発表され、「特別軍事作戦」の実施はこれに応じた形になる。

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
藤村純佳(ふじむらすみか) 軍事ライター。『月刊PANZER』『軍事研究』等の軍事専門誌にソ連・ロシアに関連した記事を寄稿。
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