ウクライナ危機の先、国際エネルギー市場に待つ課題
2022年3月17日

オンライン形式で開かれたG7エネルギー相会合に出席したウクライナのハルシチェンコ・エネルギー相(下段の右から1人目)=3月10日 (c)時事/経済産業省提供
米国によるロシア原油などの禁輸措置を受け、原油価格はリーマンショック後の最高値を記録した。ウクライナ危機を巡る地政学が国際エネルギー情勢の安定を根本から揺るがしている。現在の状況は第1次石油危機における地政学情勢にも共通するところがあり、エネルギー安全保障強化の重要性が大きくクローズアップされる背景となっている。また、ウクライナ危機の展開については、米・ロシア・欧州・ウクライナに止まらず、中国や米国・サウジアラビア関係などを巡る地政学問題として見ることも重要である。
「G7一体」での対応の難しさ
3月6日、アントニー・ブリンケン米国務長官がロシア産原油などの禁輸措置を検討しているとインタビューで発言したことを受け、原油価格が一気に高騰した。WTIは瞬間風速で130ドルを超え、ブレントに至っては139ドル台まで上昇、リーマンショック後の最高値を更新した。欧州の天然ガス価格もこのニュースに反応して急騰し、100万BTU当たり70ドルを超えた。原油換算では400ドル超の異常な高騰である。
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