ポーランド南西部トゥルフの石炭火力発電所(C)AFP=時事

 

遅々として進まないエネルギー制裁の議論

 露のウクライナ侵攻を受け、EUのエネルギー制裁に関する議論が高まりを見せている。

 EUの対露制裁はこれまで大別して4段階にわたって行われたが、エネルギー制裁に関する議論は遅々として進まず、露産エネルギーの禁輸に踏み切った米国ほどの強い対応には至っていない。

 第1弾は露による「ドネツク人民共和国」および「ルガンスク人民共和国」の独立承認と、これら地域に対する平和維持を目的とした露軍派遣に対して、2月23日に発動したもので、これら地域の独立承認に関わった個人や組織の資産凍結や同地域とEUの貿易制限などが行われた。

 第2弾は、露によるウクライナ侵攻開始をうけ翌25日に採択された。エネルギー分野では、石油精製に関連する商品・技術の販売・供給・移転・輸出の禁止が盛り込まれたが、国際銀行間通信協会(SWIFT)システムからのロシアの排除については盛り込まれなかった。

 第3弾は、2月28日に採択されたが、エネルギー制裁については大幅な進展が見られなかった。

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