石川氏は2025年静岡県知事選への出馬も取り沙汰される(静岡県庁) (C)時事

 総務省の石川英寛大臣官房企画官兼復興特別交付税室長が4月1日付で静岡県の政策推進担当部長に就任したが、これは極めて異例の人事といえる。

 石川氏は2009年度から2013年度までの4年間、同県の経営管理財務局長や文化・観光部空港利用政策課長を務めていた。つまり静岡県へは2度目の赴任だ。しかも、過去には埼玉県で企画財政部長も経験し、今回のポストは総務官僚にとって、普通ならば「格下げ」を意味している。

 だが石川氏の人脈を紐解くと、また別の絵図も浮かび上がる。

 石川氏が起用された表向きの理由は、「政府が掲げるデジタル田園都市国家構想を進める上で、川勝平太知事が国とのパイプ役を期待した」(関係者)というものだ。しかし実際には、国土交通省出身の難波喬司副知事の後継を担う含みがあるという。2014年5月から副知事を務める難波氏は「後継者を作らない主義」で知られる川勝知事の下にありながら、今年5月で“異例”の2期8年をまっとうする予定。石川氏はそんな難波氏の後任候補と目されているのだ。

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