プーチン体制が残る限り西側陣営との対立構図は消えない(2月4日、北京で記念撮影に応じる中国の習近平国家主席[右]とロシアのプーチン大統領) (C)AFP=時事/Sputnik提供

現行国際秩序から最大の利益を得ている中国

 ロシアのウクライナ侵攻は、あっという間に世界を大きく変えた。どういう終わり方をしようと、ロシアに極めて不利なポスト・ウクライナ戦争体制が出来上がる可能性が強まっている。NATO(北大西洋条約機構)とEU(欧州連合)は、プーチン路線が続く限り、ロシアを全面的に押さえ込み、ロシアとの政経分断も止むなしと決意したようだ。NATOとEUには、すでに欧州にある多くの旧ソ連の国々が参加している。これに日本を含むその他の有志国も加わり、奇しくも東西冷戦時代の「西側陣営」が、さらに大きくなって復活したのだ。

 米国は昨年の11月頃からロシアによるウクライナ侵攻に対し警告を発してきた。中国もロシアの動きに気づかないはずがない。にもかかわらず2月4日に華やかに習近平・プーチン会談を行い、中ロ蜜月を演出した。その時に発出された長文の共同声明は、よく読むと慎重な言い回しが多く中国がロシアに全面的に肩入れする内容とはなっていないのだが、「中ロの新型国家関係は冷戦時代の軍事政治同盟モデルより優れている。両国の友好に尽きるところはなく、協力に禁止区域はない」と書き込んだことにより、中ロ関係は同盟関係以上のものとなったと見られてしまった。

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