「百年なかった大変局」に「中ロ蜜月」で臨んだ習近平の進退両難

執筆者:宮本雄二 2022年4月26日
エリア: アジア
プーチン体制が残る限り西側陣営との対立構図は消えない(2月4日、北京で記念撮影に応じる中国の習近平国家主席[右]とロシアのプーチン大統領) (C)AFP=時事/Sputnik提供
習近平は「世界は不安定な変革期に入った」との認識のもと、対米持久戦の備えとしてロシア接近を演出した。しかし、中国共産党には鄧小平路線の経済重視という「正しい結論」も併存する。経済成長を実現してきた「西側主催」の国際社会に止まるか、あるいはロシアとともにそこから出るか――ウクライナ戦争でロシアとの連盟が悪手となるのは確実だが、その軌道修正は習近平の三選を危うくする。

現行国際秩序から最大の利益を得ている中国

 ロシアのウクライナ侵攻は、あっという間に世界を大きく変えた。どういう終わり方をしようと、ロシアに極めて不利なポスト・ウクライナ戦争体制が出来上がる可能性が強まっている。NATO(北大西洋条約機構)とEU(欧州連合)は、プーチン路線が続く限り、ロシアを全面的に押さえ込み、ロシアとの政経分断も止むなしと決意したようだ。NATOとEUには、すでに欧州にある多くの旧ソ連の国々が参加している。これに日本を含むその他の有志国も加わり、奇しくも東西冷戦時代の「西側陣営」が、さらに大きくなって復活したのだ。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
宮本雄二 みやもと・ゆうじ 宮本アジア研究所代表、元駐中国特命全権大使。1946年福岡県生まれ。69年京都大学法学部卒業後、外務省入省。78年国際連合日本政府代表部一等書記官、81年在中華人民共和国日本国大使館一等書記官、83年欧亜局ソヴィエト連邦課首席事務官、85年国際連合局軍縮課長、87年大臣官房外務大臣秘書官。89 年情報調査局企画課長、90年アジア局中国課長、91年英国国際戦略問題研究所(IISS)研究員、92年外務省研修所副所長、94年在アトランタ日本国総領事館総領事。97年在中華人民共和国日本国大使館特命全権公使、2001年軍備管理・科学審議官(大使)、02年在ミャンマー連邦日本国大使館特命全権大使、04年特命全権大使(沖縄担当)、2006年在中華人民共和国日本国大使館特命全権大使。2010年退官。現在、宮本アジア研究所代表、日中友好会館副会長、日本日中関係学会会長。著書に『これから、中国とどう付き合うか』『激変ミャンマーを読み解く』『習近平の中国』『強硬外交を反省する中国』『日中の失敗の本質 新時代の中国との付き合い方』などがある。
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