ベトナムのファン・ミン・チン首相と会談した岸田首相(C)EPA=時事

 

インドネシアに配慮したアプローチ 

「ロシアに対していま、国際社会が毅然と対応しなければ、中国に誤った教訓を与えてしまうことになります」 

  岸田文雄首相は、大型連休初日の4月29日に訪問したインドネシアで、ジョコ・ウィドド大統領との首脳会談後、通訳のみを交えた2人だけの「テタテ(tete-a-tete)」会談に臨み、こう迫った。 

 岸田首相は、「日本はこれまでロシアと領土交渉を進めてきたが、今回、大きな決断を下した」と説明し、「ロシアは今後、おそらくASEAN諸国との関係に活路を求めてくると思う。その時、東南アジアが制裁の抜け穴になってはならない。G20やEAS(東南アジア首脳会議)でのロシアの扱いは国際社会が注目しているだけに、真剣な検討をお願いしたい」と求めた。 

「非同盟」志向のインドネシアが、対ロシア政策でも、日本と更に協調するだけでなく、G20の枠組みからからロシアを排除できるよう働きかける狙いがあった。 

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