2060年には千葉市や世田谷区に匹敵する人口が毎年消えるとも予測される(自民党「出産費用等の負担軽減を進める議員連盟」の小渕優子会長[中央]=5月16日)  (C)時事

   日本はいま様々な問題を抱えているが、最も深刻な問題は人口減少だ。周知のとおり、日本の総人口は今後100年間で急激に減少し、2080年頃には2010年と比較して人口が半減することが見込まれている。しかも、国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口」(平成29年推計、出生中位・死亡中位)によると、人口減少のスピードは今後勢いを増していく。

   現在の人口減少率はまだ僅かだが、2025年は0.50%、40年は0.79%、60年には1%となる。「減少率」で見ると大きな減少に見えないものの、「減少数」で把握すると印象が異なる。

   2025年の人口減少数は62万人、40年は88万人、60年は94万人という予測である。62万人という減少数は、現在の東京都江戸川区の人口に近く、94万人という減少数は現在の千葉県千葉市の人口(約96万人)や東京都世田谷区(約90万人)に近い。この規模の人口が、日本から毎年消えて行くのだ。

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