日本に「Bムーブメント」は広がるか(新しい資本主義実現会議で挨拶する岸田文雄首相[右]=5月31日)(C)時事

「パブリック・ベネフィット・コーポレーション」(PBC)をご存じだろうか。岸田文雄首相が掲げる「新しい資本主義」政策の目玉の一つとして、議論が進む会社の新形態だ。ルーツは米国にあり、「公益企業」とか「公益重視企業」などと和訳されることが多い。日本版PBCは日本経済を活性化させる切り札になるだろうか。

「公益重視」会社に新形態 政府検討 短期利益偏重を見直し――。5月17日付日本経済新聞朝刊1面は、こんなニュースを伝えている。

「米国などで法整備が進む『パブリック・ベネフィット・コーポレーション』(PBC)を参考に制度設計に入る。PBCは株主の利益だけではなく、公益に資する事業に率先して取り組むと明示した会社形態を指す。企業は貢献を目指す公益を定め、経営陣はその公益と株主の利益とが釣り合うように経営する」
 

 「企業にとっての利点は短期的な利益を求める株主の意見にとらわれすぎず、中長期的な社会課題の解決を目指す事業に投資できることだ。例えばスタートアップの経営者は株主と対話する際に、中長期的な社会貢献を目指すことを会社の目的として説明しやすくなる」

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