遺族が補償を得られるのは「法改正に対応するより簡単」と企業側が判断した場合との指摘も(事件の発生したロブ小学校)  (C)REUTERS/Marco Bello

 

[ロイター]5月24日にテキサス州ユバルデの小学校で起きた銃乱射事件は21人もの犠牲を出し、人々の怒りは募るばかりだが、遺族らが警察や学校、あるいは銃メーカーを訴えて法廷に立つ日が来ることはないかもしれない。法曹関係者によると、警察や銃メーカーには特殊な免責があるからだ。

 学校で起きた過去の銃乱射事件同様、被害者である児童19人と教師2人の遺族は、訴訟を起こそうにも壁に直面することになるだろう。職場や他のプライベートな場所での銃乱射とはまったく状況が違うからだ。「ユバルデのようなケースはまさに法の穴に落ちる」と語るのは、過去の銃乱射事件で遺族の代理人を務めたテキサス州の弁護士エリック・ノッカート。ユバルデの件では家族の代理人になっていない。

立ちはだかる3つの「免責」

   遺族の前に立ちはだかる壁は3つある。警察官など法執行機関の人間が職務執行に関して訴えられることを防ぐ「資格による免責」、国と行政組織を訴訟から守る「主権免責」、そして銃犯罪の被害者の訴えから銃の製造メーカーを守る連邦法だ。 

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