3月以来、イスラエルと東京の往復生活を続けている。現在は3回目の渡航に向かうところである。

   3月の渡航で、2020年以来、新型コロナ禍による渡航制限で伸び伸びになっていた、テルアビブ大モシェダヤン中東アフリカ研究センター(Moshe Dayan Center for Middle Eastern and African Studies: MDC)への客員研究員への着任意思を確認し、「上級客員研究員(滞在型)」などというステータスを設定してもらって、研究室も使わせてもらうことになった。

Announcement on the joining of Prof. Satoshi Ikeuchi to MDC as a Senior Visiting Scholar

   5月、そして6月は、月の半分程度をイスラエルで過ごし、残りの半分の期間で日本で一月分の仕事をこなすという計画で、順調にこなしつつあるが、正直にいうと疲労の度合いが著しい。

   新型コロナ禍対策の制限により極めて少なくなった日本発着の航空便、ロシア上空を迂回するために15ー16時間かかるようになった日本・西欧間のフライト、乗り継ぎ先の航空会社でも頻繁に日程変更・キャンセルが生じるため、毎回長時間かけて再ブッキングが必要となる煩雑さ、不確実性が常に頭を悩ませる(前回の帰国時のロストバゲージで失われた荷物の発見・確保が遅れ、結局再渡航の日に乗り継ぎ地ブリュッセルの空港で受け渡しを受けることになった)。何よりも、いったん現地時間に適応した頃にイスラエルと日本で場所を変えてまた時差に苦しむことの繰り返しが、着実に体力・精神力を奪っていく。

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