制裁下で接近するロシア・イランの「ただならぬ関係」
2022年7月6日

ラブロフ外相を迎えたアブドラヒアン外相(C)EPA=時事
ロシア外相がイランで発したメッセージ
6月23日、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相がイランを訪問し、首都テヘランの外務省でアミール・アブドラヒアン外相の迎えを受けた。報道された2人の表情は笑顔で、一見すると、旧友と再会したかのような和やかな雰囲気を漂わせている。
今回の会談には、2月24日のウクライナ侵攻後、米欧諸国や日本から制裁を科されているロシアが、かねて国際社会から制裁を科されてきた言わば「先輩」であるイランに制裁下の処世術を学びに来たという見方がある。そのこと自体に、違和感はない。
実際、アブドラヒアン氏は会談後の共同記者会見で制裁に対抗する手段について問われると、「公にする必要はない」と述べ、口をつぐんだ。イランが制裁を回避するため国際的な規範やルールを破っているという指摘は数多く、詳細を明らかにしない理由は想像できる。
ただ、筆者が会見で注目したのは、ラブロフ氏のこの発言だった。4カ月を経過したウクライナ侵攻に触れ、「この問題の原因に関するイランの正しい理解に感謝する」と話したのだ。この一言にこそ、ロシアによるイラン訪問の意図が読み取れる。
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