政変劇を仕掛けたとされるファドナビス州副首相㊨と、シブ・セナ造反議員のリーダーで新州首相に就任したエクナート・シンデ氏(C)AFP=時事
 

 インド最大の商都ムンバイを抱えるマハラシュトラ州で6月末、政変が起きた。連邦与党のインド人民党(BJP)は3年前の州議会選で州野党となっていたが、州与党の右派民族主義政党シブ・セナの造反議員らと合流して政権を奪取した。

 シブ・セナ前政権は日本の協力で建設が進むインド初の新幹線計画に否定的な姿勢を見せていたが、州の政権交代で建設計画に弾みがつくのか――。日本のインドビジネス関係者の間では政治動向よりもこちらに注目が集まっている。

用意周到の政権奪取

「多数決が民主主義のルール。だから我々の勝利だ」――。

“政権奪取劇”の主役で、同州の新しい首相(チーフ・ミニスター=県知事に相当)に就任したシブ・セナの有力州議会議員エクナート・シンデ氏(58)は6月末、高らかに勝利宣言した。

 同州首相を兼ねていたウダブ・タクリー党首(61)らの党運営を批判してきたシンデ氏は同僚議員を含む40人で突如離反し、BJP陣営にはせ参じた。この結果、定数288議席の州議会で106議席を保有するBJPとシブ・セナ造反組は、無所属議員ら19議席を加えて過半数超の164議席を確保、州政権の奪取に成功した。

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