社会インフラの監督官庁として、総務省の責務は増す一方だ

 国土交通省では、技官出身の山田邦博事務次官(63歳/1984年建設省入省)の後任に藤井直樹国土交通審議官(61/83年運輸省入省)が昇格した。3ポストある国土交通審議官には、水嶋智鉄道建設・運輸施設整備支援機構副理事長(59/86年運輸省入省)、和田信貴総合政策局長(58/87年建設省入省)、林俊行復興庁統括官(59/88年建設省入省)が就いた。事務次官級ポストである吉岡幹夫技監(59/86年建設省入省)は留任した。

   同省では、旧建設省事務官、旧運輸省事務官、技官がほぼ1年交代で事務次官に起用されており、今年もそれを踏襲した形だ。事務次官の待機ポストである国土交通審議官に昇格した3人は、事務次官への起用が有力視される立場になった。

   この3人の中で、早くから頭角を現していたのが水嶋氏だ。官房長になって半年で、鉄道建設・運輸施設整備支援機構副理事長に就任した。同機構の副理事長に国交省の現役幹部が就任するのは初めてで異例の人事だった。北陸新幹線の金沢―敦賀区間の延伸を巡り、予定していた23年春から遅れることに対して、建設主体である同機構が国土交通省から業務改善命令を受けたことから、機構再建を託されて派遣されていた。

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