安全保障面での日米韓連携をより強化するためにも、日韓の懸案解決は必至(6月29日にマドリードで行われた日米韓首脳会談。左から尹錫悦韓国大統領、バイデン米大統領、岸田文雄首相)(C)AFP=時事

 尹錫悦(ユン・ソギョル)政権は5月の米韓首脳会談で、米韓同盟を軍事分野から経済・技術分野での同盟関係まで広げたのに続き、今回のNATO(北大西洋条約機構)首脳会議への参加、日米韓3国首脳会談で米欧主導のロシア・中国包囲網への参加に踏み切った印象を与えた。

「安米経中」路線は終わるのか

 尹大統領のNATO首脳会議に同行した崔相穆(チェ・サンモク)経済首席秘書官はマドリードで6月28日、記者団に対して、

「中国を通じた輸出好況時代は終わろうとしている」

「中国の代わりとなる市場、(輸出先の)多角化が必要だ」

 と述べ、中国への経済的依存度を減らしていく考えを示した。崔首席秘書官は市場の多角化を語り、中国の代替地域として欧州を挙げた。韓国の安全保障は米国に、経済は中国に重点を置くという、今までの「安米経中」路線を終焉させ、米欧中心の「経済安保」路線へと転換することをうかがわせる発言だった。

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