開成高校閥で首相を支える?

 政府は8月1日付で外務審議官(経済担当)に小野啓一経済局長(56歳/1988年入省)を起用するなど、外務省の主要幹部人事を決めた。小野氏は来年5月に広島市で開かれるG7サミット(主要7カ国首脳会議)を担当する。

 小野氏は茨城県取手市出身だが、高校は都内の私立開成高校に通った。外務省内の「開成会」の中心人物で「岸田(文雄)総理が外務大臣だったころから、高校の先輩である岸田外務大臣を囲む開成の会を開いていた」(同省幹部)という。岸田首相肝いりのサミットを、開成高校閥で支える格好になった。

 また、岸田氏を外相時代から秘書官として支えた中込正志首相秘書官(55/89年入省)を8月4日付で外務省欧州局長に充てる人事も決定した。岸田政権で首相秘書官が交代するのは初めて。中込氏は昨年10月の岸田政権発足後から約10カ月間、秘書官として首相に仕えた。岸田首相の信任が厚く、中込氏の同期たちが局長、局長級のポストに昇格していることから、欧州局長に起用されたとみられている。

 中込氏の後任の首相秘書官には、外務省官房審議官(経済局担当)の大鶴哲也氏(55/91年入省)を充てる。大鶴氏は、田中眞紀子外相(当時)が外務省人事に激しく介入した2001年の「眞紀子ショック」の際に大臣秘書官を務めていたが、田中氏の外相就任からわずか二日で交代させられ話題を集めた。もっとも、その優秀さは省内で評価されており、北米第二課長や経済局政策課長などを歴任してきた。

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