ソマリアの旱魃は飢饉に発展しつつある(C)REUTERS
 

[ソマリア・ドーロ発(ロイター)] ソマリアのエチオピア国境の町ドーロでは、朝が来る度に11歳になる少年、バシル・ニュル・サラットがフェンスの向こうで展開すべき作戦を練っている。友だちに借りた黄色いスクールシャツと本、とびきりの笑顔だけを武器に狙いを定める――獲物はフェンスの先にある小学校の給食だ。 

 バシルが暮らすソマリアは、支援活動家が「3つのC」と呼ぶClimate change(気候変動)、Cost(コスト=食糧価格の上昇)、Conflict(紛争)の三重苦に苛まれている。そのうえ過去40年で最悪という干魃に見舞われ、彼の一家は3カ月前に自らの農場を去り、約100キロ北のドーロへ移動してきた。 

 ドーロの小学校では、国連による支援プログラムの一環として給食に温かいお粥や豆、コーンの料理が供される。その様子をフェンス越しにじっと見つめているのが、最近ドーロに来たばかりで学校登録が間に合わなかった子どもたちだ。バジルは今や、給食目当てに集まってきた彼ら子どもたちのリーダーなのである。 

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