【Analysis】コメ不足の危機:アジア4大生産国を直撃した天候不良
2022年8月20日

インド南部アンドラ・プラデシュ州の港で、輸出用の米袋をトラックから降ろす労働者たち[2021年9月2日](C)REUTERS
[シンガポール/インド・ムンバイ発(ロイター)] 世界のコメ生産の約90%を占めるアジアで、最大輸出国インドを含む主要なコメ供給国が、天候不良による生産量低下に見舞われそうだ。すでに過去最高水準に上昇している食糧価格にも影響を及ぼしかねない。
過去2年間、新型コロナウイルスの感染拡大、サプライチェーンの分断、さらにはロシア・ウクライナ戦争によって穀物価格が上がる中、豊作で輸出業者が大量の在庫を抱えるコメは値上がり傾向に逆らってきた。
しかし、農家や貿易業者、アナリストは、インドの穀倉地帯での降雨不足、中国の熱波、バングラデシュの洪水、ベトナムの大雨により、世界のコメ生産国トップ5のうち4カ国で収穫量が減少する恐れがあると指摘している。
国連食糧農業機関(FAO)のエコノミストであるシャーリー・ムスタフは、「今年初めに食糧価格全体が記録的な水準に達した中でも、コメは入手しやすい状態が続いていたが、すでにインド、中国、バングラデシュなど主要なコメ生産国で天候不良が起きており、今後数週間で状況が改善されなければ生産量が減少するだろう」と懸念を示した。
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