朴振韓国外相(左端)と王毅中国外相(右端)の会談は、夕食を交え5時間に及んだ(韓国外交部HPより)

 韓国の朴振(パク・チン)外相はカンボジアで開催される東南アジア諸国連合(ASEAN)関連外相会合などに出席するため、8月3日からプノンペンを訪問した。

日中外相会談中止で「日韓」に対応差

 8月4日にはASEANプラス3(日中韓)外相会議が開かれた。中国の王毅国務委員兼外相はナンシー・ペロシ米下院議長の台湾訪問について、

「米国は越えてはならない一線を越えた」

 と米国を厳しく非難した。これに対し、林芳正外相は中国軍による台湾周辺での軍事活動に「重大な懸念」を表明し、「台湾海峡の平和と安定」が国際社会の安全と繁栄に「不可欠」と反論。台湾問題が「対話により平和的に解決されることを期待する」とした。王毅外相はさらに発言し、歴史的に「(台湾を植民地化した)日本は台湾問題に言及する資格がない」と日本を批判した。朴振外相はこの時は、台湾問題に言及しなかったという。

 林芳正外相と王毅外相は8月4日に、2020年11月以来の対面による日中外相会談をする予定だったが、中国側が直前に中止を決めた。中国外務省の華春瑩報道局長は、日本を含む先進7カ国(G7)外相が台湾情勢に関する共同声明を発表し「中国を不当に非難」したためと中止の理由を説明した。

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