バチカンのサンピエトロ広場でのミサの前に、名誉教皇のベネディクト16世(左)に挨拶するフランシスコ教皇[2014年9月28日](C)REUTERS

*この記事は原文が配信された8月22日時点の情報に基づいています。

[バチカン市国発(ロイター)]ローマ教皇フランシスコ(85)は、すぐにも辞任するのではとの噂を打ち消してきた。だが、生前退位の観測とその後の身分に関する問題は燻り続けている状況だ。

   フランシスコが8月28日に訪問する伊ラクイラ市には、1294年に教皇在位わずか5カ月で生前退位して隠者生活に戻り、特権を手にしたケレスティヌス5世が埋葬されている。2013年に生前退位した前教皇のベネディクト16世(95)も、退位の4年前にこの地を訪れている。バチカンは、フランシスコのラクイラ訪問を今年6月に発表した。毎年恒例の「赦しの祝祭」に出席することが目的とされたが、訪問前日に新たな枢機卿が任命され、翌日にはバチカンの新たな憲章に関する会議も予定されたことが退位の観測につながった。

   フランシスコは7月2日、ロイターによる独占インタビューのなかで、「辞任など頭に浮かんだこともない」と一笑に付してはいるが、将来、健康上の理由で辞任する可能性は残したままだ。教会法では、教皇は圧力に屈してではなく自発的にならば退位できるとされている。しかし、その後の地位や称号、義務などに関する具体的な規定はない。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。