【Analysis】ローマ教皇に燻り続ける退位観測、「その後」の規定も焦点に

2022年9月8日
タグ: イタリア
エリア: ヨーロッパ
バチカンのサンピエトロ広場でのミサの前に、名誉教皇のベネディクト16世(左)に挨拶するフランシスコ教皇[2014年9月28日](C)REUTERS
生前退位した教皇がどのような身分となるのかについて、カトリック教会は明確な規定を設けていない。85歳の現教皇フランシスコには退位の憶測がつきまとうが、前教皇の発言が“利用”される問題もあり、何らかの規定を定める必要性はカトリック指導者層でもほぼ合意されているという。

*この記事は原文が配信された8月22日時点の情報に基づいています。

[バチカン市国発(ロイター)]ローマ教皇フランシスコ(85)は、すぐにも辞任するのではとの噂を打ち消してきた。だが、生前退位の観測とその後の身分に関する問題は燻り続けている状況だ。

   フランシスコが8月28日に訪問する伊ラクイラ市には、1294年に教皇在位わずか5カ月で生前退位して隠者生活に戻り、特権を手にしたケレスティヌス5世が埋葬されている。2013年に生前退位した前教皇のベネディクト16世(95)も、退位の4年前にこの地を訪れている。バチカンは、フランシスコのラクイラ訪問を今年6月に発表した。毎年恒例の「赦しの祝祭」に出席することが目的とされたが、訪問前日に新たな枢機卿が任命され、翌日にはバチカンの新たな憲章に関する会議も予定されたことが退位の観測につながった。

カテゴリ: 社会
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