アバディーン国際空港で飛行機に乗り込むハリー王子[9月9日](C)REUTERS

[スコットランド・アバディーン発(ロイター)]エリザベス女王の死の翌朝、アバディーンで飛行機に乗り込む直前、ハリー王子はお悔やみの気持ちを伝える案内役の空港職員の肩にそっと手を置いた。

 親しみやすい人柄ゆえに、長らく最も慕われる王室メンバーの一人であったハリーらしい温かみとカジュアルさが表れた瞬間だった。とはいえ、英王室離脱の決断をして以来、家族との間に生まれた溝は埋まっておらず、解決の見通しは立っていない。エリザベス女王の壮麗な国葬が9月19日に行われ、家長が交代する。家庭内力学に変化が生じ、果たして緊張緩和に向かうのか人々の注目は続く。

 女王と最期の時を過ごすため、王室一家がスコットランドのバルモラル城に駆けつけるなか、9月8日、最後に駆けつけたのがハリーだった。そして翌朝、最初に城を離れたのもハリーであったことが、家族の中での彼の位置付けを物語っている。

 今回、女王が亡くなった時にハリーがイギリスにいたのは全くの偶然だった。現在、アメリカ人の妻メーガンとカリフォルニアに暮らすハリーが帰国するにあたって、王家の人々と会うことは当初、予定されていなかった。

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