イスラエルに学ぶスタートアップエコシステム:「One Story」の強み
2022年9月18日

スタートアップがひしめくイスラエル(筆者提供)
岸田文雄政権下でスタートアップ担当大臣が新設され、国内外の大学などと連携した国内のスタートアップ支援の強化が打ち出された。日本にもスタートアップのエコシステムをつくり上げようという方針だが、筆者は残念ながら盛り上がりに欠け、期待感が持てないと感じる。
その理由を論じてみたい。
世界一のスタートアップ大国
圧倒的なスピードで成長を遂げていくスタートアップであるが、スタートアップ自体は単独で成長していくことが極めて難しい。投資家、政府機関、士業支援、スタートアップと連携する大企業など、様々なプレーヤーが有機的に絡み合って、その成長を後押ししている。
このスタートアップを中心としたエコシステムの形成において世界から一目置かれるのが、近年スタートアップ大国として台頭してきたイスラエルである。
イスラエルでは、現在年間800~1000程度のスタートアップが生まれる。1990年代以降、旧ソ連崩壊後の移民受け入れ、本格化したグローバル企業の進出、国によるVC(ベンチャー・キャピタル)政策などが契機となり、スタートアップが増えていった。
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