日本の存在感低下を印象付けたTICAD8(C)AFP=時事             

 

 日ごろはアフリカに関するニュースをほとんど報道しない日本のマスメディアが3年に一度、日本・アフリカ関係について集中的に報道する政治イベントがある。日本政府が1993年から主催しているアフリカ開発会議(TICAD)である。

 8月27、28日にチュニジアで開催されたTICAD8で、岸田文雄首相は3年間で官民合わせて300億ドル(約4兆1000億円)の資金をアフリカに投入する考えを表明し、マスメディアはこれを大きく報じた。

 1993年に始まったTICADは5年に一度開催され、2013年のTICAD5以降、3年に一度の開催に変更された。初期のTICADは開発の理念について議論するインテレクチュアル(知的)会合だったが、投資誘致に熱心なアフリカ諸国の声に応え、2016年のTICAD6では安倍晋三首相(当時)が3年間で官民合わせて300億ドル、2019 年のTICAD7では 官民合わせて200億ドルをアフリカに投じると表明し、今回の300億ドルの拠出表明につながった。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。