インフレ抑制の覚悟を固めたFOMCのタカ派姿勢は市場の予想を大きく上回った[産業界代表との会合に出席するパウエルFRB議長=9月23日](C)EPA=時事

 米中間選挙のシーズンを迎えている。あいかわらず面白いネタには事欠かないのだが、個人的にはいまひとつ気分が盛り上がらない。

 共和党は限りなく「トランプ私党」になっていて、“MAGA”(Make America Great Again)を叫ぶ熱狂的支持者たちに席巻されている。民主党は左右に分裂気味であり、穏健派であるジョー・バイデン大統領に対する左派の信頼が極めて低い。こんな両者が対決しているのだから、野球で言えば締まりのない乱打戦のようなものである。おそらくは「最終的にエラーが少なかった方が勝つ」のであろう。

 米国の選挙というものは、本来はもっと戦略性の高いゲームだったはず。二大政党がそれぞれに知略を尽くし、4年ごとに新しい戦略を生み出し、接戦が繰り返されてきたのではなかったか。それが面白くて「米国政治オタク」になった者としては、あまりにも大味な2022年中間選挙にいまひとつ熱中できないものを感じている。

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