在ウラジオ領事追放劇の遠因は「大きな在外公館」

IN-DEPTH【ニュースの深層】

2022年10月3日
FSBは在ウラジオストク領事の“スパイ活動”を摘発し、「ペルソナ・ノン・グラータ」に指定した(「FSB」HPより)

 ロシア外務省が9月26日、在ウラジオストク日本総領事館の領事を「好ましからざる人物(ペルソナ・ノン・グラータ)」として国外追放にしたことで、日本側は報復措置として、在札幌ロシア総領事館のロシア人外交官1人を追放する見通しだ。日露関係筋が明らかにした。

 日露間では、ウクライナの首都キーウ郊外ブチャでの虐殺判明を受けて、日本側が4月にロシア外交官8人を一斉に追放、ロシア側も5月にモスクワの日本外交官8人を追放している。相次ぐ相互追放劇は、日露関係の極度の悪化を示しているが、気になるのは外交関係が大幅に縮小され、仕事もないのに、日本の外交官や関係者が依然ロシアに大量にとどまっていることだ。

 ロシア側の報道によれば、追放された領事は「モトキ・タツノリ」氏で、レストランでロシア人と会い、極東の経済状況やロシアと第三国の協力に関する非公開情報を、金銭を払って入手したという。領事は目隠しされて連行されるなど、明らかに嫌がらせだ。

 森健良外務次官は27日、ミハイル・ガルージン駐日ロシア大使を呼び、「相応の措置を講じる用意がある」とし、報復を示唆した。

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