ワルシャワ行きの列車内で携帯電話を見るウクライナ避難民(C)REUTERS

 

[パリ/ストックホルム/ミラノ発(ロイター)]ロシア・ウクライナ戦争を受けて、ロシアが欧州の主要ルートへのガス供給を止める決断をしたことで、電力不足の可能性が高まっている。停電や電力供給の制限により、この冬、欧州全域の携帯電話ネットワークが停止する可能性がある。 

 通信事業者の幹部4人によると、現在、多くの欧州諸国では、広範囲な停電に対応するためのバックアップシステムは十分ではない。フランス、スウェーデン、ドイツなど欧州連合(EU)諸国の携帯電話ネットワークの基地局は約50万あり、そのほとんどに予備電源が設置されているものの、その予備電源では30分程度しか稼働できないからだ。 

フランスでは計画停電の予定 

 フランスでは、複数の原子力発電所がメンテナンスのために停止しており、電力不足がさらに悪化している。国営電力EDF傘下の配電事業者エネディスの計画によると、最悪の場合、最大2時間の停電の恐れがあるという。各地域で順番に計画停電が行われる予定で、病院、警察、政府機関などの基幹業務には影響がないとされている。 

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