ウクライナ東部ドネツク州で行われた「住民投票」なるものの光景=9月27日、マリウポリ   (C)AFP=時事

 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は2022年9月30日、ウクライナの東部・南部の4州(ルハンシク、ドネツク、ザポリージャ、ヘルソン)をロシア連邦に一方的に併合すると発表した。それに先立って、それらの州で実施されていたのが、「住民投票と称する行為(日本政府)」である。

 これを受け、住民自らがロシアの一部になることを望んでいるとして、ロシア政府は一方的併合に突き進んだ。それが、ほとんど茶番とでもいうべきいい加減なものだったことは明らかで、このような一方的かつ違法な「併合」は、当然のことながら、国際社会で認められるものではない。

 それは、今回の戦争にどのような影響を及ぼすのだろうか。これを明らかにするために、「住民投票」なるものの背景と正体を振り返りつつ、ロシアによる一方的かつ違法な「併合」なるものが今回の戦争の今後に及ぼす影響を考えたい。

 結論を先取りすれば、今回の「併合」なるものの最も深刻な影響は、ロシア・ウクライナ戦争の正式な和平合意が成立する可能性がほとんどゼロになったことだといえる。

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