雪と氷の厚さを測定する機器を積んだソリ「スマート・カムティック」をスノーモービルで引きながらデータをチェックする[2022年4月21日](C)REUTERS/Melissa Renwick

[カナダ・ニューファンドランド・ラブラドール州ネーン発(ロイター)]イヌイットのレックス・ホルウェル(47)は、カナダ東部ニューファンドランド・ラブラドール沖の海氷の上で生涯を過ごしてきた。アザラシや魚の捕り方は、父や他の男たちから学んだ。彼らは以前、海氷の上を犬ぞりで滑走していたが、今はガソリンエンジンで動くスノーモービルを使っている。

 ホルウェルはこの人生、そして自由を、子どもたちにも与えたい。しかし、「文化が失われようとしている」と、ホルウェルは言う。「子どもたちは自分たちのアイデンティティをイヌイットであることに求めるだろうし、彼らの子どもたちもそうするだろう。しかし、彼らが経験することは、今と同じではない」

毎年のイースターの時期、ネーンの住民は大人も子どもも1週間にわたって開かれるゲームイベントに参加する[2022年4月19日](C)REUTERS/Melissa Renwick

 気候変動がすべてを変えようとしている。温暖化が進み、干魃が長引き、熱波や洪水、暴風雨が激しくなる中、イヌイットはこれまでと同様にやるべきことをやっている。すなわち、適応だ。

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