優良企業の「狭き門」を巡る熾烈な争い(C)sayan/adobe.stock.com
 

 韓国には今まで、生まれ育った地域、386世代¹とMZ世代²、高齢者世代と若者世代の間で政治的な考えや意識の対立があった。

 しかしながら、近年は既存の対立に加えて若者世代の男女の間で対立が激しくなっている。若者世代の男女の対立は労働市場に参加するための「生存の戦い」である。中小企業、非正規労働者、労働組合のない企業などの「第二次(secondary)労働市場」と比べて相対的に処遇水準や労働環境が良い大企業、正規労働者、労働組合のある企業などの「第一次(primary)労働市場」に入るために、彼らはスペックを競い合う。

 2000年代には学歴、成績、TOEIC、海外への語学研修経験、資格の5大スペックが就職の必須条件だったが、2010年代には5大スペックにボランティア活動、インターンシップの経験、受賞経歴を加えた8大スペックが基本になった。そして、最近は8大スペック以上のスペックを準備している若者も増えている。

 ただでさえ第一次労働市場の供給が需要を上回る中、女性の社会進出によってますます供給が高まり、若者世代の男女間競争が激化しているのが現状だ。就職をするためにキャンパスのロマンを諦め、学業に邁進し、スペックを積んでいるにもかかわらず、当たり前だと思った就職ができず、多くの若者が非正規職としてキャリアをスタートしている。その結果、自分の労働市場での「生存」を妨げる者は皆「敵」だと考える若者が多くなった。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。