韓国アファーマティブアクションから見る若年層「男女対立」

執筆者:金明中 2022年11月14日
タグ: 韓国
エリア: アジア
優良企業の「狭き門」を巡る熾烈な争い(C)sayan/adobe.stock.com
 
韓国の若年層における男女対立は、「女性徴兵論」や「女性家族部廃止」にまで発展し、今や無視できない政治ファクターだ。2006年から始まった「積極的雇用改善措置制度」を踏まえながら、男女双方の不満の原因に迫る。

 韓国には今まで、生まれ育った地域、386世代¹とMZ世代²、高齢者世代と若者世代の間で政治的な考えや意識の対立があった。

 しかしながら、近年は既存の対立に加えて若者世代の男女の間で対立が激しくなっている。若者世代の男女の対立は労働市場に参加するための「生存の戦い」である。中小企業、非正規労働者、労働組合のない企業などの「第二次(secondary)労働市場」と比べて相対的に処遇水準や労働環境が良い大企業、正規労働者、労働組合のある企業などの「第一次(primary)労働市場」に入るために、彼らはスペックを競い合う。

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カテゴリ: 社会 政治
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執筆者プロフィール
金明中(きむみょんじゅん) ニッセイ基礎研究所 主任研究員。日本女子大学現代女性キャリア研究所客員研究員、日本女子大学、専修大学、横浜市立大学、日本大学非常勤講師、亜細亜大学都市創造学部特任准教授を兼任。専門は労働経済学、社会保障論、日・韓における社会政策や経済の比較分析。独立行政法人労働政策研究・研修機構アシスタント・フェロー、日本経済研究センター研究員を経て、2008年9月ニッセイ基礎研究所へ、2020年から現職。主な著書に『韓国における社会政策のあり方――雇用・社会保障の現状とこれからの課題』(旬報社/2021年)がある。
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