G20で会見に臨むエルドアン大統領(C)EPA=時事
 

 トルコでは、トルコ共和国建国100周年を迎える記念の年に当たる2023年に、大統領選挙と議会選挙の実施が予定されている。

 大統領選挙に関して、レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領率いる最大議席の公正発展党(AKP)と、2016年末から同党と協力関係を結んだトルコ・ナショナリズムを前面に押し出す民族主義者行動党(MHP)の与党連合は、早々に現職のエルドアン大統領を候補とすることを決定した。

 2014年から大統領職についているエルドアン氏は、2017年の憲法改正で議院内閣制から大統領制に移行し、最長2期10年の任期が一度リセットされたことで、今回の大統領選挙の出馬が可能となった。エルドアン氏は大統領制下において二期目を目指しての出馬となる。

 国内外で圧倒的な知名度を誇る現職のエルドアン氏の再選は堅いのかというと、現状では必ずしもそうとは言えない状況である。まず、世論調査を見ると、エルドアン氏の支持率は過半数を割り込んでいる。トルコの大手世論調査会社であるメトロポール社の調べによると1、2022年10月のエルドアン大統領の支持率は47.6%にとどまっている。不支持率は47.8%で、支持率と不支持率がほぼ拮抗した状態となっている。

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