無人攻撃機は兵士が遠隔操作で操縦していたが(写真は訓練)、やがてAIに取って代わられるのか (C)時事

 無人兵器の歴史は古く、1970年代にはイスラエルが実用化している。1991年の湾岸戦争では、米軍が無人偵察機を実戦で用いた。無人兵器の利用が劇的に増加したのはイラク戦争であり、米軍は2004年には150台の無人兵器を使用していたが、それが2008年には1万2000台に増加した。

「意思決定速度」で人間は太刀打ちできない

 これらの初期の無人機は、人間のオペレーターが遠隔操作を行うものであり、人工知能(AI)による自律化は限定的であった。それでも、無人兵器には数多くの利点があり、その利用が急速に広がっていった。

 無人兵器は、人間が搭乗していれば実現できないような連続長期間、高高度や深海での運用や高速での急旋回が可能であり、圧倒的な運動性能を実現できる。さらに、パイロットや乗組員の命を危険にさらすことなく、危険な場所での任務を遂行できる。乗組員がいないということは、居住空間、生命維持装置、安全装置が必要なく、安価に製造することができ、機体も小型化できる。機体が小型化すれば、レーダーにも映りにくくなり、誰にも見つからずに行動できる。

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